患者さまへ
子育てについて
2019-07-01
今回は大阪G20と重なって日本東洋医学会総会がありお休みさせていただいていました。毎回学会では一つは深い感銘を受ける講演に出会うのですが、今回は小児神経精神科の川嶋浩一郎先生の漢方医学と脳科学からみた神経発達症を含めた子育ての基本についての考え方が大変勉強になりました。
『子育ては親子で苦楽を共にして達成感を分かち合う経験の繰り返しである。絶対的な安心感、安心立命の境地がなければ、チャレンジ精神や勇猛心、忍耐力は育たない。まず両親が子供の興味に対して共感し安心感を与えながら、苦楽を共にして達成感を分かち合う経験を繰り返すと、前頭前野が育ち、因果を認識して先を予測できるようになり、扁桃体の暴走を抑えて、忍耐力と勇猛心が育ち、レジリエンス(逆境力)が磨かれ、逞しく育つのだ。』
また、『氣Spiritの奥の強い安心感は「天」(自然界の神羅万象の中の八百万の神、先祖の神)の存在を意識することから始まり、両親が究極の安心感を認識してしっかりと子に伝えて皆で絶対的な安心感を共有できれば、安心して暮らせる社会がくる。』とおしゃっていました。漢方的なアプローチについても個別の症例でお話しされていましたが、子育ての本質を深く洞察されていて、とても心にしみるお話でした。